アマゾンに行けばピンクイルカに会えると思っていました。でも私が見たのはグレー。もしかして他にもいるの?アマゾンにはいったい何種類のイルカがいるの?ピンクだけじゃないの??ということで、アマゾンに住むイルカの生態について解説します。
ピンクイルカはこんな動物
まずはピンクイルカから。ピンクイルカと検索すれば沢山の画像が出てくる、あのイルカです。
大きく分けて2つ
ピンクイルカは2つの生息地域に分けられます。
〈シナウスイロイルカ〉東シナ海やインドネシア、香港近海、オーストラリア北部近海などに生息。
〈アマゾンカワイルカ〉南米のアマゾン川流域とその支流流域に生息。
この記事でお話するのは2つ目のアマゾンカワイルカです。
姿
体長は2〜3m、体重は100〜160kg。
分かりやすい特徴として、口先がとても細く長いです。
目は小さいですが視力が良く、首回りの骨の構造上、視界が広いです。ただ、頬が丸いため視界の邪魔をしてしまうそう。
背びれはなく、背びれのような三角形のコブがあます。このコブの大きさには個体差があって、それが背びれかそうじゃないかを見分けるのが難しい個体もいます。
群れで行動せず通常は2〜3頭、稀に20頭くらいの群れになることもあります。
食べ物
川底にいるカニ、小魚、カメを食べます。目が下向きに付いているため、川底にいる獲物が見つけやすくなっています。頬が邪魔をしなければ。
ピンク色は毛細血管だった!
ピンクイルカはなぜピンク色をしているのだと思いますか?私は食べ物の影響だと思っていました。でも実際には、血管の色だったのです。
イルカも色白だったり色黒だったりと個体によって肌の色が違います。グレーの子もいればクリーム色の子もいます。その中で色白の子が、表面に近い毛細血管の色が透けてピンク色に見えます。
ピンクイルカと言われるアマゾンカワイルカは、みんながみんなピンク色をしているわけではなかったのです。
絶滅危惧種?
レッドリストには入っています。ですが、絶滅の危険性とかではなく、なんと項目は「情報不足(DD)」。そんな項目もあるんですね。その理由は場所にあって、熱帯雨林のアマゾンに生息しているため、調査が行き届かないそうです。ますますアマゾンに魅力を感じますね。ただ、個体数が減っているのは確かです。乱獲の対象になったことはなく、漁の邪魔をされた漁師に駆除されてしまったり、森林伐採による生息地の分断などが理由のようです。一時は絶滅危惧種に入っていたことがあり、今ではブラジルとボリビアの全域、ペルーとベネズエラとコロンビアの保護区でイルカの漁や駆除が法律的に禁止され、守られています。
伝説
アマゾンカワイルカが男性に化け、人間の若い女性を妊娠させてまた川に戻って行くとか…。浮気の言い訳に使うためじゃない?と思ってしまうような言い伝えです。
ここで会える
アマゾンカワイルカにはアマゾンでもちろん会えます。ただ、野生のアマゾンカワイルカに会うのはかなり難しそうです。色のお話でもあったように、ピンクばかりではありません。ピンクのイルカを絶対見たいということであれば、ツアーに参加するのが間違いないでしょう。餌をあげたり、触れ合うことができます。
私は特にピンクイルカを目的としていなかったのでツアーには参加しませんでした。天然でもアマゾン川でイルカに会えたので「野生のピンクイルカに会えた!ピンクじゃなかったけど!」と思いながら満足していました。しかし、それはアマゾンカワイルカではなく、コビトイルカでした。
コビトイルカ
次にピンクイルカと間違えたコビトイルカについてです。比較してみると、全く違うことが分かります。
姿
コビトイルカは今まで見たことあるイルカよりも小さく、世界最小のイルカです。川に住むコビトイルカは150cm、海に住むコビトイルカは2mで、群れで行動します。
顔はバンドウイルカに似ていて、口先が少し長いものの丸みがあります。
背びれは小さいですがしっかりあります。
お腹だけピンク
問題の色は、グレーです。ですが、アマゾン川に住むコビトイルカにいたっては、お腹がピンクなんです。これがピンクイルカと間違えてしまった原因です。

野生に会える
コビトイルカはアマゾン川で会えます。
ペルーでは、ツアーで泊まったロッヂの近くにいました。ボートに近寄ってこないので距離はありますが、はっきりと見えます。ここでは自分も泳ぐことができます。

ブラジルでは、ハンモック船での移動中に寄港した村で見ました。川で子ども達が遊んでいたり村人がボートに乗って漁に出たりしている中で普通にいます。そこではイルカと人間との距離が近いです。沢山飛び跳ねていました。

ピンクイルカは日本では見られないとても希少な動物です。せっかくアマゾンまで行ったのなら、ツアーに参加するのもいいかもしれませんね。
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